小屋暮らしの日記 byいちの木

築50年、昭和~~な小屋をせっせとリフォームしながら暮らしてます! なるべく働かず、いろいろやって生きてます。

愛国少年の歯ぎしり

 

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右: 小室直樹先生の「日米の悲劇」

読みました。

 

「悲劇」の本のはずなのですが

小室先生、語りのノリが良すぎて

講談師のよう。

 

どんな話が飛び出すのかと

ついワクワクしてしまいます。

 

開口一番、

「日本ほど軍国主義にほど遠い国はない」!!

ですと、

なぜなら国家の総力を、目的合理的に組織し

戦争を計画性をもって効果的に遂行しなかった、

ましてやその発想さえなく、

「あったのは、掛け声だけであった。」

 

あいたたたたた

ずばっと切り込んでくれた。

 

 以降、辛辣かつ可笑しく

奇跡的大成功とされる真珠湾攻撃だが

最大の戦果を挙げたとは言い難い。

それは、軍部と外務省の怠慢にある。

と、ダメ出ししまくり、

頭を掻きむしって悔しがります。

 

「戦訓という歴史から学ばないだけではない。

思想の論理をつめていくことをしないのである。」

 

「ああ、山本五十六の戦争知らずよ、戦史知らずよ。

半世紀後の今日でも、戦史を読んでここに至るたびに、

戦慄して、目をまわして、椅子からころげ落ちざるを得ない。」

 

 「著者は、史書を読んでこの件にいたるたびに、書をなげうち、

山本五十六を罵倒し、狂死しそうにならないことはなかった。」

 

ごめん、笑った。

 

実際の場面は戦争ですから

シリアス過ぎる内容のはずなのですが、

文章のリズム感が良いもんだから

チャップリン映画のごとく映像が目に浮かんじゃって。

 

ルーズベルトに参戦する口実を与えず、

何度暗殺を仕掛けられても敵の裏をかく、

ヒットラーとの戦略能力の差を比較され

 全くの能無しのごとく

山本五十六、切って捨てられる。

 

 

そしてまた、大罪を犯した人間には

即、銃殺刑を発動します。

 

真珠湾攻撃の宣戦布告が遅れたことで

アメリカに卑怯者扱いされる口実を作ってしまった、

その責任を取るべき外務省の参事官、書記官の2人。

 

そして、1944年、セブ島に不時着した飛行艇に乗っていて

「Z作戦計画」の最高機密書を敵の手に奪われてしまった

連合艦隊最高参謀である福留参謀長と山本作戦参謀。

 

「もちろん、銃殺こそ至当である。」

 

戦線布告が遅れた理由には

諸説あるようですが、

Z作戦がアメリカに漏れちゃってたことは、

もう、どうも疑いようもない事実みたい。

 

それをうやむやにしたために

マリアナ七面鳥撃ち」などという惨敗を喫したとは

 

「半世紀たった今日でも、ふるえが止まらない話ではないか。

が、もっとずっと悪い話が続く。」

その、捕虜になった2人は厳罰に処されるどころか

そのまま軍部に残るだけでなく昇進さえしている。

 

 「 エリートで主流に立つ人には、

  他の人びととはちがった特別な規範が適用される。」

 

先生、

私、震えを通り越して、ウンザリしてきたよ。

今も変わんないもんな

そーゆーの。

 

 

 

小室先生は昭和7年9月9日生まれだとのこと。

真珠湾攻撃当時は9歳。

きっと、現代の子供が電車の名前を憶え絵を描くように

戦艦の名前、製造年とその特徴にはまりこみ

戦争ごっこに夢中になったのではないでしょうか?

 

真珠湾攻撃は力を分散させず

全力で主力艦隊を投入するべきであり、

どのような編成で向かうか、

ノリノリで熱くシミュレーションされています。

 

先生の性格が伝わってくるような

軽くて楽しい(ごめん)本でした。

 

 

(追記)

  と、アップしたところで

天皇皇后両陛下フィリピンより帰られる。

 

 

 

ところで、過去記事中に

宮崎哲弥トーキング・ヘッズ」の動画を紹介させていただいたのですが、

 

nyonya-c.hatenablog.com

 

この番組の締めくくり部分で

橋爪大三郎さんが

「このような人が現れた場合、いじめない事。」

と、仰っていたことが気にかかり

少し検索してしまいました。

 

小室先生は奇人として知られていたのですね。

アル中だ、とは聞いていたけれど

メディアでいじられていたのね。

 

ムカつくな。

 

錚々たるお弟子さんたちは真面目そうな方々ばかりだから

さぞや悔しい思いをされたことでしょう。

小室先生ご本人はどう感じてたんだろうね。

 

突出した人に嫉妬する能力さえなく

理解不能なばかりに

「所詮あいつはごまめ」だと貶めて

そんなことばかりに盛り上がる

そういう日本社会。

 

 

 

 

今、写真左、小室先生の先生

森嶋通夫著「なぜ日本は没落するか」

を読み始めています。

 

1999年の著作ですが

まるで予言の書みたい。

 

ぞわぞわ~~~