いちの木の小屋と山

昭和~~な小屋をリフォームしたり、山やったり畑やったり、猪捕ったり、いろいろやって生きてます

12月8日 開戦の思い

 

風邪ひいた。

 

最近、胃のあたりがすうすうするなぁ

二の腕が冷えるなぁ

とは思っていたけれど、

気を付けろ、のサインなのに

日常のあれこれに気をとられて、見過ごしている。

 

風邪ひいたことを受け入れたとたんに

悪寒が始まった。

 

とにかく、食べて、食べて、熱いもの飲んで、寝る。

辛いもの、熱いもの、ネギににんにくしょうがに蜂蜜みかん。

 

午前中は爆睡。

昼に熱いキムチうどん卵入り、ネギたっぷりトッピングを食べて

布団に戻る。

 

昼過ぎ、

ふとんの中でうつらうつらしながらも、暇、

なので、

久しぶりに中部大学の武田邦彦先生のブログを音声で聴く。

うつらうつらしながら。

 

 

 

12月8日が「開戦の日」であることから

当時の日本人が何を考えていたかを、「開戦の思い」と題し、

それまでの3日に渡ってアップされたものを聞いた。

 

武者小路実篤太宰治といった文人が

何を感じて、どう書き残しているのか。

当時の世界状況の中で

日本人として、どう感じていたのであろうか

解説されていた。

 

 

私は武田先生、好きじゃありません。

独特のニヒルに薄ら笑う感じや、しゃべり方が。

 

しかし、

例によって、周りに流されない

その人でしかありえない意見を持って述べる人、に対しては

尊敬する。

 

また、こう言ってるから右、とか左、とか

レッテル貼りできない

どちらの陣営も突き破って、大きくはみ出てます。

他にない、大変ユニーク。

 

しかも、へぇ!!って開眼もあり(嫌悪もありだが)

ものの見方が私と全然違う、

話の帰結が予想できない、

聞いたことのない話しをされる。

違うからこそ、かえって、引き込まれるところあり。

 

 

で、まぁ、話を「開戦の思い」に戻すと、

 

当時の世界の中で

日本は唯一の独立した有色人種国家であった。

そのため、欧米にとっては目障りな存在であり、

国際社会の中で不当な扱いを受けていた。

また、渡欧した日本人は人種差別されることに

自尊心を大きく傷つけられていた。

 

そんな状況が続く中で

もう、我慢しない、

歴然とした力の差があったとしても

このまま、自尊心を曲げて生きていくよりは、誇りある態度を示そう、

と、文人も、一般の人々も、日本人は

喜んで、高揚して、開戦の詔勅を聞いたのだ。

 

つまり、いやいやながら、ではなかった、と言う。

 

終戦の日ばかり記念して、

もうしません、ばかり言ったって

どうしてやったのか、そこのところを知ることなければ

反省になんか、なりっこない。

 

で、これにはどう反省するの?

 

逆に、国や軍や新聞に騙された

と、被害者ぶって

自身の介在の中に切り込んでいかなければ

やはり、再び、騙される道を好んで選んでいくのだろう。

 

 

 

詔勅を聞いた 芥川は

 まっくらなわたしの部屋にひかりのさし込むやうに、

 強くあざやかに聞こへた。

 日本も、けさから、ちがふ日本になったのだ。

と、書き

 

武者小路は

 僕は決心がきまった。内から力が満ちあふれて来た。

 「今なら喜んで死ねる。」

 と、ふと思った。

とまで書いている。

 

 

このスッとしたような気持ち、わかる気がする。

 

ということは、

私のような人間が戦争に向かっていく

性質をもっている、ということ?

 

 

現政権がトリモロソーなんつって、戦争に突っ込んでいったなら

とんだトバッチリ、くらいに思って

国外脱出するのだろうけど、

 

例えば、最近盛り上がりを見せている市民運動の中から

日米地位協定のタブーを破ろう、

アメリカの属国支配を見直そう

日本の独立国としての主権を取り戻そう、

が、盛り上がり、人々が繋がり

加熱したら、

それが、戦争への道筋であったとしても、

多分、

私は、その流れるままに行くのだろう。

 

 

トラップは意外なところに潜んでいる。

正しそうなこと

どうみても善にしか見えないこと

その裏には、ポッカリ穴が空いていたりする。

 

 

だから、属国OK、

何をされても媚へつらう薄ら愛想笑いで

怒ることなく、歯向かうことなく、

しかし、怠惰に、のらくら、

言われることはまともに行わず、

怒られれば、おたおたして

怒る相手がばかばかしくなるほどの愚鈍さで

嵐の過ぎ去るのを待つ。

 

植民地の人間は植民地人らしく。

そんな態度の方が知恵ある態度なのかもしれない?

 

 

若しくは、

有色人種であることから、差別を受けながらも

それをかわしつつ

白人社会で頭を上げて生きる

そんな術を体得してきた

欧米に生きる人たちの知恵を教えてもらう?

 

そういった大人の態度を習得したいものだが。

 

そんなスキルが身に着くかどうかは

個人の資質に左右されるだろうから、

集団たる国として、そういった振る舞いができるのかどうか?

特に、日本のような国にそれができるのか?

 

学ぶ資質がなければ

人は何も学べない。

それはセンスのようなものだから。

 

 

 

普段は周りの日本人とうまく馴染むことができない、

と、思っている私だが

「開戦の思い」などを聞くと

硬直した思考と

プライドばかりが高い

私は全く日本人だ、と

思い知る。