いちの木の小屋と山

昭和~~な小屋をリフォームしたり、山やったり畑やったり、猪捕ったり、いろいろやって生きてます

悦楽的男となんちゃって生ハム

 

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生ハム制作中です。

 

先日、「自家製生ハムづくり講習会」に参加して仕込んできました。

 

自宅の冷蔵庫で寝かせて作る

簡易的なものだけれど、

熟成3週間物を試食したところ

自宅で楽しむならこれで十分。

 

しかも、まだ生な感じ、

香りもいいし、ねちっこくって、この方が私は好み。

 

あんまり乾いてしまっていると

私の味覚じゃよくわからん。

 

肉代かければ好きなだけ食べれるのは嬉しい。

こういう保存肉って欠片みたいなのに高い。

かといって

安いものは何使ってるかわかんないしね。

 

このなんちゃっての方法は

肉に塩とスパイスをまぶして

出てきた水分をピチットシートというもので吸い取らせていく

というもの。

 

 

 

最近、猪の足跡が見えません。

うちだけでなく、どこもひっそりしているらしく、

M氏は猟期を知ってるみたいだ、と

やや諦め気味?

 

いやいや、あと数頭は捕っていただきたい。

 

さばく練習もまだやり足りないし、

今度のももと背の肉は生ハムにするから。

 

 

こういった肉の保存のこと

初めて知ったのは

この本、西川 治の「悦楽的男の食卓」にて

 

 

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悦楽的よろしく、西川先生

お肉の舌触りなんかを

いちいちねちねち、女に例えずにはいられない。

 

この本を本屋で目にして

その頃、若い女性であった私は

しつこいおっさんだなぁ

と、思いながらも、

あまりにも写真が美しくて、おいしそ過ぎて、

外国の空気がかぐわしくって

買っちゃったのだ。

 

で、あまり認めたくはないけど

このエッチテイストも結構好きだったんだろう。

 

元はBRUTUSに連載されていたのだとか。

 

 

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肉にナイフ

そそられますね。

 

ハムやソーセージの保存肉に多くをさかれていて

その加工方法を詳しく教えてくれている。

スモークハウスの作り方まで!!!

 

それから生肉料理。

後、釣りの話と魚料理もいい。

パスタ、パン、分厚い鍋を使った煮込み料理、

ブイヤベースやパエーリャ

ケバブなどのイスラム文化圏の料理。

ああ、紹介が終わらない、まとめられないほど素敵な本。

 

バックパッカーで外国に出て

そんな匂いをちょっとは嗅いできていたから

懐かしさも呼び覚ます、

視覚以上のものを訴えてくる写真の数々。

 

この本を読んだことで

以来ずぅーーーーっと、スモークハウスを自作してみたい

と憧れている。

 

そして、今、できる環境にいる。

 

そのうち、そのうち

長い長い、いつかやってみたいことのリストに入っています。

 

 

 

今、冷蔵庫の中

なんちゃって生ハムの周囲では

塩が雑菌と戦ったり

肉の中に染み入ったり

スパイスと出会ってお互いを意識しあってたりしてるところかなぁ。

 

衛生管理にはやや自信がないのですが

ここは是非塩にがんばってもらいたい。

 

こーゆう料理法、

スモークにしても、生ハムにしても

時間と目に見えぬ何かが食べ物に作用して

風味を増してくるって、

ほとんど魔法ですね。

 

 

 

これまで自分が興味持ってやってきたことって

ほとんど、目に見えるもの、手で触れることのできるもの

手でいじくって何か作ることで、

形になったらお終い。

 

しかし最近、時や目に見えない生物の介在によって

変化が起こる

時間をかけて放置のなかの作為、ということに

惹かれている。

 

 

まだまだ未知の領域です。

生命力のおおもとの方。

 

自分本位ではなく

そーゆう目に見えぬ他者に成り行きをゆだねてみる。

 

ちょっとずつ、そんなことに

目が向き始めてきた。

 

 

 

久しぶりにこの本出してみて

読み返している。

ああ、どれもこれも官能的。

 

悦楽的中年女にならんとす

2015年の暮れ。