いちの木の小屋と山

昭和~~な小屋をリフォームしたり、山やったり畑やったり、猪捕ったり、いろいろやって生きてます

広島deバビグリン(チェレンだけど)

 

 

ついにその日がやってキタ!!

晴れの日曜日

バビグリン決行の火蓋が切られた。

 

バビグリンとはバリ島の名物料理、豚の丸焼きですが、

これを子猪で作ろう!という計画です。

 

 

朝8時にテンペ工房へ迎えに行くと

テンペ屋の主人とバリ人の若者2人は

バナナを食べつつ談笑しながら待っていた。

 

おお、tepat waktu !

 

インドネシア人は時間にルーズだって思われてたりするけど、

ちゃんとした人は時間に余裕をもって来て待っている。

日本で働いて数年もすれば

身のこなしもさっさとしてきたりと日本化してる。

 

働き者のテンペ屋夫婦は

前日に必要そうなものをいろいろと用意してくれていた。

行き当たりばったりな私にとって、心強い助っ人です。

 

そんな道具あれこれやおやつと彼らを車に乗せて

いちの木のお山にご案内。

 

いい所だねぇ~、とバリ人の若者たち。

へっへっへぇ~~ でしょぉ~?

ここは街から遠くないのに、自然がいっぱい

のんびり空気いっぱいエリアです。

 

 

彼らを箱罠のある場所に案内し、

どうやって生け捕りにするの?なんて言ってるそばから

若者は檻の外から手を突っ込み、子猪の足をむんずとつかんだ。

 

 

 

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足を縄で縛って檻から出して

口も縛っちゃう。

で、首を切って死んでいただく。

 

彼らは心の中でヒンドゥーマントラを唱え(多分)

私はビスミッラーと唱えた。

 

これ以降の写真は、苦手な方はやめといた方が良いかも。

グロそうなのは貼らないでいるけれども。

 

 

 

今回は毛と皮はナイフで剥ぐのではなく焼いた。

その辺にあったトタンを敷き、ガスバーナーと包丁を用いて、

その上で毛を焼きこそげ落とす。

 

 

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焼きすぎるとぼろぼろして表皮を剥きにくくなるし時間もかかる。

ちょうどよい焼き加減がわかってくると

綺麗に剥き身にすることが出来るようになってくる。

 

この方法だと耳や鼻の皮もきれいに剥けるんだね。

熱湯かけて剥くよりやりやすい。

今後M氏のところで解体するときは

頭もらってきてバーナーで毛焼きして

頭料理を発展させよう!

耳と鼻で珍味作れるかも!

 

 

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こうやって焼くと蹄も剥けちゃう。

初めて見た! こんなの!

蹄、美味しいんだって。

 

 

しかし、この日、思いもよらぬ障害発生。

 

母屋の軒下に大きなスズメバチの巣が出来てしまって

スズメバチが活発に飛び回っているんだけど

手を出さなければ刺されることは無いんだし、

以前のように冬になったら巣を除去すればいいか。

もう巣が大きくなっちゃったし、手遅れだもんな。

と、巣が育つままに放っていた。

 

が!

これが大きな間違い!!

 

作業の初段階、箱罠で猪つかまえるところから

ずーーーーっとスズメバチに付きまとわれ

その数がだんだんと増えていき、囲まれ、

内臓を出すに至っては、パーティーの様相を呈してきた!

 

スズメバチは獰猛な肉食昆虫だとは知っていたが

私たちが食べるお肉だって奴らは好むのね。

気づかなかった。

しかも生肉は彼らをそそるらしいのだ。

人間だって猪だって、弱っていたら奴らの餌食なのだ。

 

内臓を抜く時に両前脚を持って支えてたんだけど、

スズメバチが目の前で顎をがぶがぶさせ、

イノシシの腸に噛り付く様を観察しました。

 

恐怖!

 

こんな中、粛々と仕事をすすめてくれた皆には

感謝しかない。

みんな上手にスズメバチをよけながら作業してくれた。

誰も刺されなかったのは奇跡なのか

落ち着きの成せるものなのか?

 

ということで、このへんの作業写真はありません。

詰め物を作るために香辛料をブレンダーでペーストにして

タロイモの葉と混ぜ、っていう魅力的な工程とかあったんだけどさ。

 

手は汚いしバタバタだしスズメバチ怖いし、

私は軽くパニック状態でした。

一人で怖いコワイと逃げ回りとてーも申し訳ないのだが、

スズメバチは、無理。

蛇のほうがマシ、(だと思う。)

 

 

内臓を抜いて綺麗に洗ったら

おしりから口まで木の棒を刺し、

腹腔に詰め物をしてタコ糸で綴じる。

 

お腹を閉じる間も邪魔してくるスズメバチ

炭火を熾している煙の風下に作業台を置くことにより追い払う。

さすが、野外での対応に慣れている。

 

写真撮り損ねたけど皮に香辛料の汁を塗るにも

その辺に生えてる笹の葉をまとめタコ糸で縛り枝で柄をつけ

即席の刷毛を作ってた。

 

下の写真にある、くるくると丸焼きを回す台は

その辺の棒やら竹やらを紐や針金で加工して、

完璧なる丸焼き設備の出来上がり。

 

インドネシア人の自然の中にあるもんで工夫して作る

知恵と行動が面白すぎたんで

わたしゃ長々居ついちゃったんだよね~~

 

orang Indonesia itu sangat kreatif !!

 

 

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そうこうするうちにも

やっとなんとか焼きの工程。

棒の肉が刺さってる部分にはアルミパイプ使用

テンペ屋の主人が加工してくれてた。

 

 

焼き工程ではしばらくスズメバチの猛攻から逃れるも、

熱い肉汁に挑む猛者もいた。

 

 

 

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こんが~~り~

炭火で焼くこと数時間

 

 

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年上であるテンペ屋の主人の主導で丸焼きはすすめられたが、

彼にしても子供のころから見て知っているが、

自分でやるのは初めて、とのこと。

 

それでも上手に丸焼きできました~。

 

アツアツの丸焼きの頭落としてお腹の縫い目をほどく。

肉が切り分けられているというのに

スズメバチはたかってこない。

詰め物に使われている香辛料が苦手なのかな?

焼けた肉はいまいちそそらないのかな?

 

 

丸焼きは楽しかったんだけど

スズメバチの乱舞が衝撃過ぎて

頭と心臓がおかしくなりそうでした。

 

 

長くなるので

今日はここまで。

 

食べてからの感想は

また、次回!